お問い合わせ・お申し込みはメールでどうぞ

南仏ニュース・2004年12月

★印のついているものは、南仏プロバンス在住、アマンダからのお便りです。

プロヴァンスの年末風景

2004年12月20日

プロヴァンスの年末といえば、なんといってもサントン市! オーバーニュで、エクスで、アルルで今まさに各地で開かれてます。近年、南フランス各地でも見られる、丸木小屋をトコロセマシとオッ建ててのクリスマス市などは、元々、仏東北部でのもののはず、あらわな商魂がそこらに見えて悲しい気がするけど...外人のクセに余計なこと口走ったかしら、わたし?

プロヴァンスのクリスマスは12月4日聖女バーブの日に始まります。この日、お皿に綿をしいてたっぷり水を含ませ、麦やレンズマメを撒きマントルピースの上あたりに置いとくと、クリスマスの頃には立派な芽(デ・ゼトッフdes etoffes)が育ちます。麦だと希望の成就、レンズマメはお金が貯まる、と現実的―でも大切。結構スクスク伸びてあまりお皿が小さいと安定が悪いもので、ある程度育ったら、回りに赤や金色のリボンをまいてお洒落します。これが育たないと縁起が悪いので水をやりすぎたり枯らしたりしないように、注意します。芽は新しい生命の息吹を表し、これなどお正月の門松と同じような意味があるわけで、めぐりくる春を待つ人間の自然な発想である季節のお飾りは、洋の東西を問わず美しい生活習慣です。

同時に、教会でも各家庭でも紙や模型、ホントの苔や枝を使ってクレーシュ(creche)という、イエス誕生の情景をサントン(聖人の小さいの)人形で飾りつけます。これが伝統的なお飾りだけれど、クリスマスツリーも習慣となって大分経ち、寛容なプロヴァンス人は両方飾ります。サントン人形の発祥はイタリア・ナポリでそちらは優雅な面立ちの人形、こちらプロヴァンスは素朴派。土をかたどって色付けされたものがベースで、実は各家庭で飾られる風習は仏革命で教会が閉鎖された後の事、人々がクリスマスに教会のクレーシュを見に行けなくなって淋しいからというもので、その頃のプロヴァンスの風俗を見事に表すことになります。そんな中で、ちょっと面白いのを紹介しますと、先ず"ラヴィ"‐両手を万歳みたいにしてる人、喜んで幸せ一杯で、イエスの誕生を祝ってます。それから仲良く赤い傘をさした老夫婦‐傘は雨の為でなく日除け、またこれは当時豊かさの象徴だったらしい。アルルジェンヌ、白い馬に乗ったガーディアン、ミストラルにマントをひるがえした村人。どれもいい味だしてます。そこに嬰児イエスを置くのは12月24日の真夜中、そして、"クリスマスおめでとう!"となるのです。

クリスマスの食事は、24日が精進、25日が大ご馳走となります。プロヴァンスでは古い伝統を踏まえ、キリスト教祝日前夜は肉を食べないことになりますので、24日がそれにあたり、この日は深夜のミサを挟んで、清貧なる盛大な食事えをとります。それぞれ特別贅沢でなく季節の手に入る素材―分量はタップリと、野菜や魚、エスカルゴ、卵料理(トリュフ入りオムレツが気分―昔プロヴァンスでトリュフは貧乏人のじゃが芋と言われたノ)など並びます。そして食後には13のデザート。これも土地により多少違うけど、干した果物、木の実、ヌガー、カリソン、オリーヴオイルを使ったブリオッシュ、が基本のパターンで13種揃えます。

この日は家族が集まって食事する一年で一番大事な日で、テーブルには3枚の白いテーブルクロスを大中小と重ねて掛け、テーブルにはデ・ゼットフを飾り、暖炉には特別立派な薪を選んでくべて、食前から食事中は勿論、真夜中のミサに行って帰って来ても部屋が暖かくつつんでくれるようにするのです。そうそう、テーブルは1人分よけいにお皿とナイフ・フォークを用意しておきます。"可哀想な人の席"だそうですが、誰がカアイソウかは諸説紛々。

翌日は当然早くは起きられません。で、ゆっくり始めて、先ず贈り物を紐解きワーワー言ってると、あっという間に又食事の時間、この日は肉料理のあるご馳走になり、その翌日も、そう早くは起きられないよネ。そんなタップリの食物や贈り物に囲まれた幸せな気分の中、アア又一年経ッタナァ、と。そうこうする内、賑やかに友達同士で年越しの大晦日。又、家族が集まっての公現説(エピファニー Epiphanie)。

年が変わるって、冬至あたりの日が一番短い時を過ぎ太陽が勢いを取り戻す頃の事で、人間が大地に生きてる証拠であるどうしようもなく地球的な出来事を感じて、星霜の昔から地球の何処でも誰でも、色々な形で表現しないではいれらなかったんだよネ。祝うべし。

サントン人形工房で、その飾り方やプロヴァンスやその風習についてうまいこと紹介しているところがあります。

http://www.santonsmarcelcarbonel.com

ここに行くと、左縦帯に素焼きのプレートがあります。その中の"tradition"や"faire la creche"をclicするとプレートの下に文字が出ますから、それを一行ずつ更にclicしてくと、右の画面でプロヴァンスのクリスマスが楽しめます。

アマンダ

このページの先頭へ